海上保安庁第三管区海上保安本部との包括連携協定の締結について
本日、日本体育大学と海上保安庁第三管区海上保安本部 との間で、救急災害医療及び海上保安に関する教育・研究分野における連携と協力を目的とした包括連携協定が締結されました。
本協定による主な連携項目は以下の4点となります。
1.教育・人材の育成
(1)両者の施設・機材等を使用しての訓練や実習等の協力
(2)両者の研修・講義等への講師派遣
2.調査研究
(1)調査研究データの両者間における相互提供
(2)両者の施設・機材等を使用しての調査研究への協力
(3)本学による海上保安庁に対する海上保安業務に係る助言
(4)海上保安庁による本学に対する調査、教育・研究を実施する際の助言
3.海難救助及び海における事故防止対策や安全啓発等
4.その他、これらの目的達成のために必要とされる事項
なお、第三管区海上保安本部と教育機関との協定締結については初となります。
これまでも両者においては、本学教員による海上保安庁内におけるメディカルコントロール体制の構築への協力や、訓練等への参加協力や講義科目・実習科目における講師派遣など協力体制を築いてきました。また、本学の卒業生(救急救命士)も海上保安庁に入庁し、庁内の教育機関において優秀な成績を修めるなど、更なる活躍も期待されています。
今後は本協定の締結により、救急災害医療及び海上保安に関する教育・研究分野において、両者の更なるシナジー効果を目指してゆきます。
(12月29日追記)NHKニュースでも報道されました。
【本学大学院保健医療学研究科 研究科長 横田裕行教授の挨拶です】
この度、本学と海上保安庁第三管区海上保安本部の間で包括連携協定の締結したことは極めて有意義なことと思っています。本紙面をお借りしまして協定の締結を企画いただきました皆様に心より御礼申し上げます。誠に有り難うございました。
さて、日本体育大学は、1891(明治24)年の創設以来、約130年の間、建学の精神である「體育富強之基」、すなわち健全な身体と精神を持つ人材を育て、もって国や社会の発展に寄与するという理念から体育・身体活動・スポーツを基軸に社会的使命を果たしてきました。そのような中、多くの世界的トップアスリートや指導者を輩出してまいりました。健康で安心な社会の構築こそが社会の発展の礎であるという建学の精神「體育富強之基」の意味するところですが、それを実現するために本学は「健康で豊かな社会・人づくりの実現」にこれからも貢献して行かなければなりません。
一方、社会に目を向けますと地球温暖化による気候変動とそれに伴う大規模自然災害、国際政治情勢の不安定化によるテロ攻撃の多発等々、安全で安心な社会を脅かす事態が多発しています。私自身も救急医療、災害医療に携わる者として、国内外の様々な大規模災害の医療支援(スマトラ沖津波災害、インドネシア地震災害、東日本地震災害、昨年の台風災害等々)や国際的大規模イベント(洞爺湖、伊勢志摩サミット、横浜APEC、昨年の大阪G20など)の医療対応に参加をしてまいりました。そのたびに痛感することは、突発的な災害や大規模イベント等に対する対応する能力を決定すると言われる調整能力(ロジスティックス)を、日本はさらに向上させなければならないということです。日本は医療や行政等々の個々の能力は極めて高いものの、それを密接に連携して調整する能力や知識・技術を有する組織や人材が不足していることです。このような中、本学は保健医療学部や大学院保健医療学研究科修士課程、博士課程を立ち上げ、救急医療、災害医療、そして危機管理の知識と技能を習得し、このような状況にも活躍できる人材を育成しています。
今回の連携協定により、本学保健医療学部及び大学院保健医療学研究科が海上保安庁第三管区海上保安本部との連携が密接となり、教育・人材養成、調査研究で相互の協力ができることになりました。この連携は本邦の救急医療、災害医療、危機管理の発展に大いに寄与するものと思っています。
今後、両者の関係がさらに充実・強化・緊密化されることを期待して、挨拶といたします。