映画『フロントライン』モデルが語る“真実” ― 阿南英明氏・近藤久禎氏による災害医学特別講義を開催
映画『フロントライン』モデル 阿南英明氏・近藤久禎氏による災害医学特別講義 開催報告
現在、大ヒット公開中の映画『フロントライン』(公式サイトはこちら)。
先日の小栗旬さん、窪塚洋介さんらが来学された本学科での特別試写会(その時の様子はこちら)に続き、この度、物語のモデルとなった災害医療のトップランナー、神奈川県立病院機構理事長の阿南英明氏と、厚生労働省DMAT事務局次長の近藤久禎氏が、学生のために特別講義を行ってくださいました。
最前線のリアル ―ダイヤモンド・プリンセス号での闘い―
講義ではまず、世界が固唾をのんで見守ったダイヤモンド・プリンセス号での新型コロナウイルス対応について語られました。災害対応の専門家ではあっても、未知のウイルスに対応する経験はなかったDMAT(災害派遣医療チーム)が、乗客約3700人という未曾有のスケールでの集団感染にどう挑んだのか。映画では描ききれない現場の困難さが明かされました。さらに、単に命を救うだけでなく、先の見えない不安の中にいる患者や家族の尊厳をいかに守るか、その医療倫理の核心が議論されました。
歴史の教訓を未来へ ―災害と人権を考える―
続いて、議論は福島第一原発事故時の病院避難や、コロナ禍で顕在化した「差別・偏見」の問題へと移りました。特に日本の“黒歴史”とも言えるハンセン病の隔離政策を例に、恐怖や無知が人権侵害に繋がりうる危険性を解説。過去の事例から学ぶことの重要性を強調し、医療者は常に自らの判断を問い直す倫理観を持つべきだと説かれました。歴史の教訓を未来の危機管理にどう活かすか、深い問いが投げかけられました。
これからの救急救命士に求められるもの
最後に、未来の医療を担う本学科の学生たちに向けて、これからの救急救命士に求められる資質について語られました。救急救命士の活躍の場が消防だけでなく病院へと広がる現代において、4年制大学で学ぶ意義は技術習得のみならず、幅広い教養と「人間力」の育成にあると強調。現場で常に自問自答し、学びと反省を繰り返す姿勢こそが、これからの救急救命士に不可欠であると、学生たちへの期待が示されました。
本講演会は、4月の特別試写会に続く、学生たちが災害医療の現実と、その根底に流れるべき高い倫理観を学ぶ、極めて貴重な機会となりました。
お忙しい中、貴重なご講演を賜りました阿南英明様、近藤久禎様に心より御礼申し上げます。
本学の強み:DMAT事務局との公式連携
本学救急医療学科は、映画『フロントライン』で描かれたDMAT(災害派遣医療チーム)を統括するDMAT事務局と、災害医学分野における連携協定を締結しています。
これは、本学の災害医療教育が国内最高レベルであり、在学生・卒業生が実際の災害現場で即戦力として活躍していることの証です。
この最前線の学びを、次はあなたが体験する番です。
救急医療学科のリアルな学びや雰囲気を、ぜひ肌で感じに来てください!
救急医療学科は、横浜・健志台キャンパスがメインのキャンパスとなっています。