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安全管理や救助活動を学ぶ ~救助救命医療学演習を開講~

8月26日から30日までの5日間、集中講義として「救助救命医療学演習」が開講されました。

【救助救命医療学演習とは?】
1年次の必修科目として開講され、ファーストレスポンダーとして救急隊到着前の行動ができること、医療者になるための基礎として、安全管理や救助活動の基礎を修得することを到達目標としています。
演習は講義と実習で構成され、今年度は下記のプログラムで開講されました。

1日目:講義(東京・世田谷キャンパス)
本学教員による安全管理に関する講義が行われたのち、下記内容について実施されました。
1)消防機関における救命救助(東京消防庁講師による講義)
2)地域のメディカルコントロール(医師(救急医)による講義)
3)山岳における救命救助(医師(山岳医)による講義)
4)医療機関における救命救助(救急救命士(医療機関所属の救命士)による講義)

2日目:実習(航空自衛隊入間基地)
自衛隊が担う救命救助を学習するため、航空自衛隊入間基地にて実施されました。
航空自衛隊入間基地は、埼玉県狭山市・入間市に所在し、首都圏を含めた防空を担当する中部航空方面隊司令部を有する航空自衛隊最大規模の基地です。
基地内では主に下記内容について実施されました。
1)航空医学実験隊
 航空医学に関する調査研究や医学適性検査等を実施する部隊。
 学生たちは、空間識訓練装置や低圧訓練装置の説明等を含めた実習を実施しました。
2)飛行点検隊
 陸・海・空各自衛隊の駐屯地・基地にある航空保安無線施設を航空機にて点検する部隊。
 学生たちは、駐機中の航空機の体験搭乗を行いながら部隊の任務について学習しました。
3)自衛隊入間病院
 航空医学機能を有する医療機関として、各種事態に対応する医療体制を確保するとともに、災害拠点病院・救急指定病院として地域住民を含めた安全・安心な医療体制について学習しました。
 また、航空自衛隊で活躍する卒業生(救急救命士)との意見交換も行いました。
4)第2輸送航空隊
 基地間の定期輸送や国賓の輸送、災害発生に伴う救援物資の輸送を担う部隊。
 輸送機は令和6年能登半島地震でも消防機関と連携した運用がされており、学生たちは自衛隊が担う災害支援について機体説明とともに知識を深めることができました。

3日目:実習(海上保安庁横浜海上防災基地)
海上保安庁が担う救命救助を学習するため、横浜海上防災基地で実施されました。
基地内では主に下記内容について実施されました。
1)講義
 海上保安庁が担う救助救命業務、職員採用に関する案内、海上保安庁の教育業務(海上保安大学校)について実施いただきました。
2)吊り上げ救助体験
 ロープや担架等を使用しての救助体験をとおして、救助に関する基礎手技を学習しました。
3)防災基地視察
 基地内の各訓練施設のほか、隣接の海上保安資料館の見学も実施しました。
 また、特殊救難隊による救急訓練も見学させていただき、機内で実施される救急活動について学習することができました。
4)巡視船「いず」
 巡視船「いず」は海上保安庁が保有する巡視船であり、ヘリコプター発着機能を有する大型船に分類されます。令和6年能登半島地震でも災害派遣されており、学生たちは船内の見学を行わせていただくことで、災害時における巡視船の運用方法などを学ぶことができました。
 また、船内では搬送資器材を用いた搬送訓練も隊員の皆さまからご指導いただき、搬送に関する基本手技のほか、狭隘な場所における搬送方法の実際を学習することができました。
5)ライフジャケット着用体験
 海上保安庁の潜水士や特殊救難隊員が訓練を行う水槽で実施されました。この水槽は海難事故を模した環境を再現することが可能であり、学生たちは荒天時を模した環境下におけるライフジャケットの有用性や救助機材を用いた救助訓練などを実施させていただきました。

4日目:実習(東京消防庁消防学校・第三方面救助機動部隊)
消防機関が担う救命救助を学習するため、消防学校で実施されました。
職員から施設に関する説明を受けたのち、救助機動部隊(装備品・車両など)の見学を実施しました。

5日目:実習日(JPTECファーストレスポンダーコース)
ファーストレスポンダーとして適切な対応ができるスキルを学習するため、実施されました。
JPTECインストラクター資格を有する本学教員により実施され、帰宅途中やスポーツ救護の現場など、様々な想定に対する初期対応について学習しています。

本科目は、集中講義として実施されましたが、学生たちは限られた時間のなかで多くの体験と経験を得ることができ、後期から開講されるシミュレーション実習等に向けたスキルを身につけられました。
また、様々な場で活躍する救急救命士の存在を実習をとおして学ぶことで将来の選択を幅広く考えることのできた5日間を送ることができました。

(謝辞)
本演習の開講に関し、ご尽力いただきました全ての皆さまに御礼申し上げます。

公開日 : 2024-9-4 category : 教育・研究, 活動報告