2024年10月8日、独立行政法人国立病院機構本部DMAT事務局(東京都立川市、事務局長:小井土雄一)と日本体育大学(東京都世田谷区、学長:石井隆憲)は、災害医学分野における連携強化を目的とした協定を締結しました。
本協定は、災害時における即戦力の確保、人材育成、そして地域社会への貢献を目的とし、双方が持つ知識と経験を活かし、密接な協力関係を築くものです。

【協定に至る経緯】
本学救急医療学科は、災害時に即戦力として活躍できる人材として、教員・大学院生および学部生を数多く派遣してきました。また、平時では救急医療や災害医療に関する専門的な講義を行っていただくため、DMAT事務局より講師が招聘されています。
災害時の活動実績としては、新型コロナウィルス感染症流行時や令和6年能登半島地震において、本学から多数の教員(医師、救急救命士)や学生が派遣され、その活躍や貢献が評価されてきました。
このような背景を踏まえ、さらに強固な協力関係を構築する必要性が双方で認識され、協定締結に至りました。

【近年の災害派遣実績】
2021年5月〜6月(新型コロナウイルス感染症医療支援・北海道札幌市)
 感染症まん延に対する医療支援として、教員・大学院生(救急救命士)が派遣
2021年8月〜9月、2022年1月〜2月(新型コロナウィルス感染症医療支援・神奈川県)
 県内に設置された酸素投与センターの運営支援のため、教員・大学院生(救急救命士)及び学生が派遣
2024年1月(令和6年能登半島地震)
 医療チーム(AMAT)や災害ボランティア、入浴介助支援ボランティアとして派遣(学生含め延べ45名)
2024年9月(能登半島豪雨災害)
 被災した医療機関や行政機関の環境支援として派遣(学生含め合計24名)

【協定締結式列席者(敬称略)】
独立行政法人国立病院機構本部DMAT事務局
 事務局長       小井土 雄一
 次長         近藤 久禎
 災害医療課長     市原 正行
 災害医療課・国際課  増留 流輝
日本体育大学
 学 長        石井 隆憲
 副学長        水野 増彦
 事務局長       勝田 真也
 大学院保健医療学研究科長  横田 裕行
 保健医療学部長       中里 浩一
 保健医療学部        小川 理郎(救急医療学科長)
 保健医療学部        鈴木 健介

他にも救急医療学科では、災害訓練や防災訓練の実施するほか、心肺蘇生法の講習会やイベント救護活動など、災害医療における多岐にわたる活動を展開しています。

「日本体育大学救命蘇生研究会」は、在学生や卒業生・教員等の研究発表や専門家の講演を行い、大変有意義な学びと交流の場となっています。今回は、「逆境からの再生を目指す不撓不屈の精神」をテーマに、揺るがない意思を持ち、どんな苦難や逆境にも屈せずに国難災害に立ち向かった方々のご講演やご発表を計画しています。興味のある方は、どなたでもご参加できます。ふるってご参加ください。(プログラムは完成次第、続報としてアップします)

開催日時:2024年12⽉15⽇(⽇)8:50〜18:00
開催場所:⽇本体育⼤学東京・世⽥⾕キャンパス(世⽥⾕区深沢7-1-1)
開催方法:ハイブリッド開催(現地開催+Web配信)
内容:シンポジウム・消防機関、病院、⽶国シアトル、海上保安庁、⾃衛隊、⺠間企業での研究、今後を⾒据えた病院前救護に関わる分野で活躍する卒業⽣からの提案
申込⽅法:ポスターのQRコードまたは以下のURLより参加登録をお願い致します。(2024 12⽉1⽇まで)
第7回 日本体育大学 救命蘇生研究会 参加登録フォーム (google.com)
参加費⽤:無料

「救急の日」の9月9日を含む一週間は「救急医療週間」として全国で救急医療のキャンペーンが行われています。救急医療学科では、9月15日に公開講座「急な病気やケガに備えて緊急度について知ろう~救急車、必要なのはどんなとき?~」を開催し、世田谷・健志台の両キャンパスで近隣地域にお住まいの方に対し、救急車の適時・適切な利用について、多くの救急現場を経験した救急救命士の教員が講師となり、「救急医療システム」や「救急車を呼ぶべき症状」について講演し、救急安心センター事業など、いざという時に知っておきたい情報を紹介しました。

「緊急度判定体験」では、家庭内で急病人が発生するシーンを再現したVR(バーチャルリアリティー)動画で「救急車を呼ぶ?呼ばない?相談する?」と緊急度判定を参加者に体験していただきました。
会場でも参加者から多くの質問があがり、「救急車が必要なケースがわかった」「相談センターなどの情報を知ることが出来た」「救急車の出動の仕組みや現状が分かって勉強になった」などの感想をいただきました。

【令和7年度入試・総合型選抜(小論文方式)9/19まで出願受付中です!】https://www.nittai.ac.jp/exam/sougou

健志台キャンパスがある鴨志田町で行われている鴨志田町内会夏祭りは、今年度から「シンカモシダマツリ」と名称を変え、9月15日に実施されました。地域住民と近隣小中学校や大学が一体となって、老若男女みんなが楽しめる地域のお祭りとして大いに盛り上がりました。救急医療学科の学生は、地域の看護師・救急救命士のボランティアとともに救護所での活動を行い、来場者や運営スタッフの安全安心を守ることができました。
学生にとっては、傷病者の対応だけでなく、地域の皆様との交流も大切な勉強です。迷子のお子さんを不安にさせないように一緒に遊んだり、落し物を届けに来た子供たちに優しく接したり、道案内をしたりなど、救護以外の場でも、コミュニケーション力を高めることが出来ました。
いつも温かく見守ってくださる町会の皆様との連携した活動は、今後も継続していきます。

【令和7年度入試・総合型選抜(小論文方式)9/19まで出願受付中です!】
本学入学をご検討の皆様、救急医療学科で、一緒に地域貢献活動をしませんか?
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8月26日から30日までの5日間、集中講義として「救助救命医療学演習」が開講されました。

【救助救命医療学演習とは?】
1年次の必修科目として開講され、ファーストレスポンダーとして救急隊到着前の行動ができること、医療者になるための基礎として、安全管理や救助活動の基礎を修得することを到達目標としています。
演習は講義と実習で構成され、今年度は下記のプログラムで開講されました。

1日目:講義(東京・世田谷キャンパス)
本学教員による安全管理に関する講義が行われたのち、下記内容について実施されました。
1)消防機関における救命救助(東京消防庁講師による講義)
2)地域のメディカルコントロール(医師(救急医)による講義)
3)山岳における救命救助(医師(山岳医)による講義)
4)医療機関における救命救助(救急救命士(医療機関所属の救命士)による講義)

2日目:実習(航空自衛隊入間基地)
自衛隊が担う救命救助を学習するため、航空自衛隊入間基地にて実施されました。
航空自衛隊入間基地は、埼玉県狭山市・入間市に所在し、首都圏を含めた防空を担当する中部航空方面隊司令部を有する航空自衛隊最大規模の基地です。
基地内では主に下記内容について実施されました。
1)航空医学実験隊
 航空医学に関する調査研究や医学適性検査等を実施する部隊。
 学生たちは、空間識訓練装置や低圧訓練装置の説明等を含めた実習を実施しました。
2)飛行点検隊
 陸・海・空各自衛隊の駐屯地・基地にある航空保安無線施設を航空機にて点検する部隊。
 学生たちは、駐機中の航空機の体験搭乗を行いながら部隊の任務について学習しました。
3)自衛隊入間病院
 航空医学機能を有する医療機関として、各種事態に対応する医療体制を確保するとともに、災害拠点病院・救急指定病院として地域住民を含めた安全・安心な医療体制について学習しました。
 また、航空自衛隊で活躍する卒業生(救急救命士)との意見交換も行いました。
4)第2輸送航空隊
 基地間の定期輸送や国賓の輸送、災害発生に伴う救援物資の輸送を担う部隊。
 輸送機は令和6年能登半島地震でも消防機関と連携した運用がされており、学生たちは自衛隊が担う災害支援について機体説明とともに知識を深めることができました。

3日目:実習(海上保安庁横浜海上防災基地)
海上保安庁が担う救命救助を学習するため、横浜海上防災基地で実施されました。
基地内では主に下記内容について実施されました。
1)講義
 海上保安庁が担う救助救命業務、職員採用に関する案内、海上保安庁の教育業務(海上保安大学校)について実施いただきました。
2)吊り上げ救助体験
 ロープや担架等を使用しての救助体験をとおして、救助に関する基礎手技を学習しました。
3)防災基地視察
 基地内の各訓練施設のほか、隣接の海上保安資料館の見学も実施しました。
 また、特殊救難隊による救急訓練も見学させていただき、機内で実施される救急活動について学習することができました。
4)巡視船「いず」
 巡視船「いず」は海上保安庁が保有する巡視船であり、ヘリコプター発着機能を有する大型船に分類されます。令和6年能登半島地震でも災害派遣されており、学生たちは船内の見学を行わせていただくことで、災害時における巡視船の運用方法などを学ぶことができました。
 また、船内では搬送資器材を用いた搬送訓練も隊員の皆さまからご指導いただき、搬送に関する基本手技のほか、狭隘な場所における搬送方法の実際を学習することができました。
5)ライフジャケット着用体験
 海上保安庁の潜水士や特殊救難隊員が訓練を行う水槽で実施されました。この水槽は海難事故を模した環境を再現することが可能であり、学生たちは荒天時を模した環境下におけるライフジャケットの有用性や救助機材を用いた救助訓練などを実施させていただきました。

4日目:実習(東京消防庁消防学校・第三方面救助機動部隊)
消防機関が担う救命救助を学習するため、消防学校で実施されました。
職員から施設に関する説明を受けたのち、救助機動部隊(装備品・車両など)の見学を実施しました。

5日目:実習日(JPTECファーストレスポンダーコース)
ファーストレスポンダーとして適切な対応ができるスキルを学習するため、実施されました。
JPTECインストラクター資格を有する本学教員により実施され、帰宅途中やスポーツ救護の現場など、様々な想定に対する初期対応について学習しています。

本科目は、集中講義として実施されましたが、学生たちは限られた時間のなかで多くの体験と経験を得ることができ、後期から開講されるシミュレーション実習等に向けたスキルを身につけられました。
また、様々な場で活躍する救急救命士の存在を実習をとおして学ぶことで将来の選択を幅広く考えることのできた5日間を送ることができました。

(謝辞)
本演習の開講に関し、ご尽力いただきました全ての皆さまに御礼申し上げます。

8月10日から12日までの3日間、世田谷キャンパスで「オープンキャンパス」が開催されました。

救急医療学科では、救急車や救急資器材の展示のほか、「災害について学ぶ3日間」をテーマに、特別プログラムを企画しました。

「傷病者のトリアージ体験」「令和6年能登半島地震・災害ボランティア活動報告」「避難所運営ゲーム(HUG)」を高校生の参加者と一緒に実施しました。

能登半島での体験を発表する学生たち
災害ボランティアの経験を高校生に伝える学生
救急資器材の展示
学科長による学科説明

当学科では、救急医療・蘇生医療・災害医療それぞれの分野で指導者として国際的に活躍できる救急救命士を養成しています。

救急活動のデモンストレーションでは、昨年は高校生としてオープンキャンパスに参加していた1年生が活動を披露しました。来場した高校生は、1年後の姿が具体的に想像できて楽しみになったと感動していました。

救急活動デモを行う1年生

【次回オープンキャンパスのご案内】
9月8日(日)は、健志台キャンパスでオープンキャンパスが開催されます。ぜひ、ご来場ください。https://www.nittai.ac.jp/exam/opencampus

【公開講座のご案内】
救急医療や災害医療に関する公開講座も実施しております。ぜひご参加ください。
8月31日(土)健志台キャンパス
スポーツ救急VRを使用した救命蘇生講習会 10:00-11:30
災害時の対応講習会 災害図上訓練 13:00-14:30
災害時の対応講習会 風水害の避難所運営訓練 15:00-16:30
https://www.nittai.ac.jp/event/nid00001035.html

9月15日(日)
急な病気やケガに備えて緊急度について知ろう~救急車、必要なのはどんなとき?~
10:00-11:30 世田谷キャンパス
14:00-15:30 健志台キャンパス
※どちらも同じ内容です。
https://www.nittai.ac.jp/event/nid00001054.html

救急医療学科では、6月9日(日)、地域の皆様を対象に、心肺蘇生法講習会を実施しました。今回で3回目となるこの講習会は、心停止の傷病者の救命率世界一を誇る米国シアトル市から講師をお招きして、楽しく・面白く学べるスタイルで、お子様からご高齢の方まで・初めて心肺蘇生法に挑戦する方からプロの医療従事者まで、幅広い年代や立場の方にご参加いただいています。心停止患者が発生する場所で最も多いのは「住宅」です。もし、大切なご家族が目の前で倒れたら…誰もが、自分に出来ることをしたい、と思うことでしょう。参加者それぞれの立場で、出来る限りの応急手当をしていただけるように、そして、今回学んだ知識や技術をご家庭に持ち帰っていただけるように、50名以上の参加者の皆様が、一生懸命取り組んでくださいました。そして、講習終了後に交付された講師のサインが入りの受講証は、今回の講習会に参加した皆様の努力と勇気の証となりました。

来年も同時期に開催予定です。ぜひご参加ください! 

救急医療学科では、心停止患者の救命率世界一を誇る米国シアトル市から講師をお招きし、心肺蘇生法の講習会を実施しています。心肺蘇生法のガイドラインは世界共通で、日本でのやり方と同じですが、地域の皆様と一緒に楽しく学べるできる場として、このような取り組みを実施しています。幼児から高齢の方まで、どなたでもご参加いただけます。

【第3回シアトルMEDICⅡ公認・心肺蘇生法講習会】
実施日:2024年6月9日(日)9時30分から12時00分
場所:横浜健志台キャンパス9号館1階臨地実習室(横浜市青葉区鴨志田町1221-1)https://www.nittai.ac.jp/access.html#anchor02
対象者:心肺蘇生法の習得を希望する方ならどなたでも可能です。ご家族、お子様のご参加大歓迎です。
参加費:無料
インストラクター:Bryan Estibal(ブライアン エスティバル)講師、Clayton Johnson(クレイトン ジョンソン)講師 ※講師は英語で話しますが、本学教員が日本語に通訳します。
申込フォーム:ポスターのQRコードまたは下記URL
https://forms.gle/j25YPV63w2SysRWD8
申込期限:2024年6月3日

大型連休や夏などレジャーへ出かけるかたも多くなってきましたが、海や川では悲惨な事故も発生しており、
特に若年層の事故が多く発生しています。

今回の講座では、講師が長年にわたる水難救助の経験や知識に基づき、事故の原因や具体的な事故防止策について、実演も交えてお伝えします。
海や川で楽しく遊ぶための知恵と方法を身につけましょう。

 

<講師>
① プロローグ
日本体育大学 保健医療学部 学事顧問
公益社団法人 日本水難救済会 理事長(元・海上保安庁 第三管区海上保安本部長)
遠山 純司
② 解説・実演
公益社団法人 日本水難救済会 常務理事(元・海上保安庁 海上保安学校長)
江口 圭三

 

講座の詳細や申し込みは、下記リンクからご覧ください。
https://www.nittai.ac.jp/event/nid00000880.html

 

先日(3月15日)、総務省消防庁より「高規格救急自動車への電動ストレッチャー導入に関する考え方」として事務連絡文書が発出されました。
https://www.fdma.go.jp/laws/tutatsu/items/kyuuki_240315.pdf

本学救急医療学科では全国に先駆け、2018年11月に電動ストレッチャーを搭載した救急車を製作・運用を開始し、
サッカーやマラソンなどのスポーツ競技における救護運用や、オープンキャンパス等での広報活動を展開してきました。

また、全国救急隊員シンポジウムでの展示や学会での発表も通じて、消防機関や医療機関の多くの皆さまにも触れていただきました。

電動ストレッチャーは、救急隊員の身体的負担軽減や安全性の向上などが期待される装備であり、
安全・安心な救急活動の実現に本学も引き続き貢献してゆきたいと考えています。