救急医療学科では、8月30日からの防災週間にあわせ、集中講義「防災減災対策演習」を開講しました。この科目は、日本防災士機構の認証を受けた防災士養成講座として、2年生以上の学生が受講できる本学独自のカリキュラムです。防災分野の著名な講師の講義のほか、災害伝言ダイヤルを試してみる、ハザードマップや気象情報を調べる、避難所運営ゲーム(HUG)で意見を出し合うなど、受講した学生は積極的に参加していました。カリキュラムの最後に行われた防災士確認試験に合格すれば、防災士の認証を受けることが出来ます。
担当した中澤准教授は、「日本は、地理や気候、人口密度などの様々な要素から災害大国と言われています。これまで日本人が経験してきた多種多様な災害は、多くの教訓を残しています。それを風化させないよう、救急救命士を目指す学生に伝承し、災害現場などの特殊環境下でも自ら考えて動ける災害医療分野の人材育成にも力を入れています。9月10日のオープンキャンパスでは、学科の詳しい説明を行います。ぜひ、横浜・健志台キャンパスにいらしてください」と話していました。
9月10日 オープンキャンパス
https://www.nittai.ac.jp/exam/opencampus/

気象予報士の先生から、災害警報について実例を交えて学びます。

避難所運営ゲームではみんなで真剣に考え、限られた時間で最善策を決断します。

避難所運営ゲームでは、振り返りも大切です。

火災の原因や予防についても学びます。
8月15日から18日にかけて、災害医療ロジスティクス演習in新上五島町が行われました。
本学では、2019年から災害ロジスティクス演習という科目が開講されています。(過去の演習の様子はこちらから)
今回、日本で初めてとなる、長崎大学医学部の医学生と本学の救急救命士を目指す学生がコラボをして、
新上五島町にて災害医療ロジスティクス演習を行いました。
学生は医学生2名と本学学生2名の計4名1グループとなり、3グループで活動しました。
初日に災害医療ロジスティクスの基礎を学んだ後、2日目から上五島に入り、
奈良尾地区の皆様のご自宅に訪問しインタビューを行いました。3日目は避難所設営と医療機関支援を経験し、
4日目に報告会を行いました。
肉体的にも精神的に追い込まれた状況で、効率よく情報をまとめる難しさを経験しました。また、医学生との視点の違いを学びました。そして、災害支援を行う上で最も大事な「相手の立場を考える力」を、新上五島町の皆様との交流を通して学ぶことができました。
企画側として一番伝えたかった、最後は「人間力」が伝わっていたこと、「肉体的にも精神的にもきつかったけど、ものすごく楽しかった」「今までの人生の中で今回の演習ほど人の心の温かさを感じたことがない」など学生からのコメントから、言葉では言い合わらせない感動がこみ上げてきました。そして、この演習の企画も人と人とのつながりと人間力によって成り立っていたことを実感し、目にも感動がこみ上げてくる演習となりました。
最後に、この企画を一緒に実現してくださった奈良尾地区出身の長崎大学山下先生に感謝申し上げます。
新上五島町の皆様と、山下先生と、今回参加してくれたスタッフの皆様と、今回参加した学生と、人と人とのつながりを拡大させて、来年はさらに素晴らしい演習にしていきます!!
長崎新聞の記事はこちらから
長崎大学病院災害医療支援室のFacebookページはこちらから








8月20日、青葉区医師会の主催により、青葉区役所で青葉区災害時トリアージ講習会が開催されました。地域の医師、看護師、歯科医師、薬剤師、柔道整復師、医療機関や区の災害担当者、無線の有資格者など、約80人の多職種の方が受講され、約20人の学生が傷病者役として参加しました。
講習会は、鈴木准教授の講義に続き、受講者がグループに分かれて多数傷病者をトリアージしていくという実践的な訓練が実施されました。参加した学生は傷病者として演技するだけでなく、自身の演技とトリアージの判定が合っていたか検証も行いました。医師会長から参加証が交付されました。学生は、職種や年代の異なる医療従事者とともに活動したことで、地域に貢献できた喜びと実践的な知識や経験を得ることが出来ました。
日体大救急医療学科には、年間を通じて学生が参加できる多くのイベントがあります。9月10日の健志台キャンパスでのオープンキャンパスでは、救急医療学科の講義や実習の様子を体験することが出来ますので、皆さんぜひいらしてください。
https://www.nittai.ac.jp/exam/opencampus/

鈴木准教授の講義

迫真の演技で傷病者になりきる学生たち

夜間想定は暗闇の中で実施
昨日、横浜・健志台キャンパスにて第3回青葉台外傷セミナー(JPTECプロバイダーコース)を開催しました。
東京・世田谷キャンパスでの開催も含めると本学での開催は延べ4回目の開催となり、本学学生・大学院生のほか、海上保安庁、地域消防機関・医療機関からも受講生として参加していただきました。
また、コースに並行して午後には、自治体連携プログラムの一環として、神奈川県小田原市の小学生と教職員の皆さまにもコースを見学してもらい、防ぎえた外傷死を無くすため、ひとりでも多くの人たちに病院前外傷救護の重要性を感じていただくこともできました。
産官学連携も含めた救急医療に関する学びを得られるのは本学ならでは特徴でもあります。今後も引き続き、関係の皆さまとの連携を密にさせていただきながら、教育・研究活動に取り組んでまいります。




コースでは、講義(ミニレクチャー)に引き続き、デモンストレーションも行われています。

小学生による電動ストレッチャーの体験使用も行われました。
【JPTECとは】
Japan Prehospital Trauma Evaluation and Careの頭文字をとり、ジェイピーテックと呼ばれています。すべての病院前救護にかかわる人々が習得すべき知識と体得すべき技能が盛り込まれた活動指針として定められ、医師、看護師、救急隊・救急救命士が共通の言語・キーワードに基づき、円滑な救命活動を行うために取り組まれている教育コースです。
コースでは、病院前の重症外傷患者を主として扱っていますが、重症患者観察のプロセスは内科外科疾患全般にも応用可能あり、救急隊到着前までのファーストレスポンダー(最初に救護に携わる人たち)への教育コースなども展開されています。
先日、新型コロナウイルス感染症対策に関する医療支援活動に対して、東京都知事より本学大学院保健医療学研究科と保健医療学部救急医療学科あてに感謝状が授与されました。
(感謝状は、東京都保健医療局の職員の代読にて授与されました)
本学では、所属する教員(医師、救急救命士)が、東京都内に開設された宿泊療養施設での医療支援や保健所運営支援などを行ってきており、その功績が今回表された形となります。
また、東京都以外の自治体においても、保健所の運営支援や酸素投与ステーションの運営支援などの実績を有しており、関係の皆さまからも高い評価をいただいています。今後も様々な地域において、官学連携や医療支援活動を続けてゆくことで、最高学府に課せられた使命を果たしてゆきます。
写真左より、大学院保健医療学研究科長、東京都保健医療局技官、
保健医療学部救急医療学科長、保健医療学部長


Certificate of Appreciation for the University’s COVID-19 Infection Control Measures.
Recently, the Governor of Tokyo presented a letter of appreciation to the Graduate School of Health Sciences and Faculty of Medical Science, Department of Emergency Medical Science for its medical support activities related to measures against novel coronavirus infection.
(An employee of the Tokyo Metropolitan Government Bureau of Health and Medical Care read out a letter of appreciation on behalf of the governor.)
Our university faculty (Doctors and Paramedics) have been providing medical support at residential facilities and operational support at public health centers established by the Tokyo Metropolitan Government, and their achievements were recognized this time.
The University has also provided operational support for health centers and oxygen administration stations in municipalities other than the Tokyo Metropolitan Government, and is highly regarded by all concerned.
We will continue to fulfill our mission as the highest academic institution by continuing our public-academic collaboration and medical support activities in various regions.
救急医療学科では、2年次と3年次に「救急車同乗実習」を行っています。消防機関での救急車同乗実習は、危機に瀕した傷病者やその家族が助けを求めている現場に臨場するため、事前教養が重要になります。8月4日にガイダンスを行い、横浜市消防局から講師をお招きし、消防業務や救急車に同乗させていただく際の注意事項についてご講義をいただきました。
今後、2年生は横浜市消防局で、3年生は地元の消防本部での実習を開始します。毎年、学生が最も楽しみにしている実習でもあり、実際に、救急車同乗実習を契機に就職先を決める学生も少なくありません。学生の実習を受け入れてくださいました全国の消防本部の皆様には、心から感謝申し上げます。

救急医療学科では、3年次「医療コミュニケーション学」の講義の一環として、「認知症サポーター養成講座」を開催しました。当講座は、厚生労働省の認知症施策の一環として、認知症に対する正しい知識と理解を持ち、地域で認知症の人やその家族に対してできる範囲で手助けする「認知症サポーター」を養成し、高齢者等にやさしい地域づくりを推進することを目的としています。
現在、全国の救急搬送人員のうち6割以上を高齢者が占めており、救急救命士を目指す学生にとって、認知症傷病者への対応は実務に必要な項目のひとつです。今回の講座では、社会福祉士・看護師・区役所職員・郵便局長・ボランティア団体など様々な立場の講師が体験談を交えてお話をしてくださり、学生は「認知症傷病者の家族として」「その場に居合わせた救急救命士として」など状況を設定した寸劇にも挑戦してみました。講座を修了して、社会福祉協議会長から受講カードとオレンジリングを受け取った学生は、地域に見守られる側から見守る側に、また1つ成長することができました。
なお、講座の様子は、廣田新聞店発行の地域新聞「ひろたりあん通信」にも掲載していただきました。
https://hirotarian.ne.jp/hirotarian/backnumber/hirotan/2023/07


当学科は、救急救命士のほか、防災士の養成も行っており、災害現場で即戦力となる人材を育成しています。今年は関東大震災が発生して100年目を迎えたこともあり、地域の方々に向けて、「災害への備えと対応」をテーマとした公開講座を開催しました。
講座では、東日本大震災で救急活動を行った講師の体験談を踏まえ、平時と災害時の医療体制の違いを知っていただいたうえで、今すぐに市民ができる対策について、講義と実技を交えて実践しました。参加者からは、「現場の経験談を聞けて良かった」「現場の救助や救急活動以外にも、市民にもできることがあることがわかった」などのコメントをいただき、救急救命士と防災士からの実践的なアドバイスや具体的な事例に基づいた実技が、地域の安全を守るために重要な役割を果たす参加者にとって、貴重な学びの機会となりました。
今後も当学科が担当する講座が予定されていますので、ぜひ、ご参加ください。https://www.nittai.ac.jp/about/approach/kokai_koza.html

手を挙げて血液の流れを実感

身近なものを使った応急手当

お互いの価値観の違いを知る

講師と大学院生
第2回となるシアトルMEDIC Ⅱ公式の「心肺蘇生法」講習会が、横浜・健志台キャンパスにて開催されました。
MEDIC Ⅱは、アメリカ・シアトル市民に心肺蘇生法(CPR)を普及している消防機関です。シアトル市では、心肺停止(CPA)からの蘇生率が60%を達成しており、これは世界で最も高い割合です。なかでも市民に対するCPR講習は積極的に行われており、高い蘇生率を誇る要因の一つです。
本プログラムは、昨年に引き続きシアトルより講師を招聘し、日本で唯一となる公式の講習会として開催しています。また、講習会修了者全員には、MEDIC Ⅱ公認の修了証も発行しており、多くの皆さまに受講していただきました。



MEDICⅡは、米国シアトル市民に心肺蘇生法を普及している消防機関です。
シアトル市民の50%(約40万人)に心肺蘇生法を普及させ、心肺停止からの蘇生率60%(日本は10%)を達成し世界NO.1になりました。
日本体育大学 救急医療学科では、シアトル消防機関と交流を持ち、シアトル市でしか受講できないMEDC II の心肺蘇生法講習会のコースを日本で唯一、開催しています。
今回は、シアトル市からスキップ先生とグレッグ先生をお招きし、心肺蘇生法講習会を開催します。
心肺蘇生法に興味のある方でしたら、どなたでも受講できます。昨年の講習会では、「子供と一緒に勉強したい」とご家族で参加される方、「英語での心肺蘇生法を学びたい」「シアトルでの教え方を学びたい」という消防職員や医療、介護関係者の方、「救急医療学科に興味がある」という中高生の皆様など、様々な受講者が集まり、MEDICⅡ公認の受講証を手にされました!ぜひ、皆様お誘いあわせのうえ、ご参加ください。
日時:2023年6月11日(日)13:30~16:00
場所:日本体育大学横浜・健志台キャンパス9号館1階臨地実習室
横浜市青葉区鴨志田町1221-1(東急田園都市線・青葉台駅よりバス15分)※学内の工事のため駐車スペースがありませんので、公共交通機関をご利用ください。
内容:1.シアトルMEDICⅡについて 2.心肺蘇生法(実技)3.質疑応答・受講証交付
申し込み:以下のURLまたはポスターのQRコードから、申し込みフォームにご入力ください。
https://forms.gle/UpT8zG8aFbxEZMHj8
申し込みいただいた方には、6月上旬に詳細について、ご登録いただいたメールアドレス宛に
ご連絡いたします。
締切:6月5日(月)定員に達した場合は、途中で締め切らせていただきます。
問合せ先:日本体育大学 保健医療学部 救急医療学科
中澤真弓 ✉nakazawamayumi@nittai.ac.jp ☎045-507-7294
