研究テーマ 《救急医療政策》*《防災&災害救援》*《女性活躍》
中澤研究室では、救急業務の社会問題解決や、応急手当や防災の普及啓発、災害救援活動を中心に研究を行っています。 また、女性が災害現場で活躍する社会を目指しています。「学生だからできること」「大学生の視点」を大切にして研究活動を行っています。





研究者情報(中澤真弓)
研究業績等はこちらから
https://researchmap.jp/nakazawamayumi著書
東京スターオブライフ|幻冬舎ゴールドライフオンライン (gentosha-go.com)卒業研究論文集
2022年度
卒業研究Ⅰ | 六反田 朋也・小野田 岳・梶原 勇雅・金井 滉己・蒲生 直哉・木村 麟・駒ケ嶺 晃志・小山 晃・曽我部 博文・高倉 大地・髙松 隼大・中林 勇翔・増田 尋斗・鈴木 渚彩・鈴木 莉子・鈴木 涼子・瀧澤 玲奈・春田 優月・矢吹 実香 |
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卒業研究Ⅱ | 小沼 昂平・野村 光史郎・楠 祐輔・井開 泰輔・宇佐美 葵・内田 龍介・籠田 陸・柏谷 一輝・片平 達也・熊谷 高希・郷田 恵人・小林 佳史・小林 優輝・小山 瑞規・佐久間 俊輔・新庄 凌也・平良 豪雅・馬場 俊・廣幡 優清・松原 雄輝・松本 拓磨・宮島 健・栁林 祐汰・吉野 雄大・大津 葉子・田上 慧・吉澤 美海 |
研究員 | 澁澤 良亮・牧野 慧弥 |
過去の卒業研究
2018年度
- 15X0020 岡野 透自然災害での被災経験の有無からみた避難行動開始の判断と防災対策について
- 15X0029 川邉 貴大学生を対象とした「消防団 ・地域コミュニティ 」に対する意識調査
- 15X0046 鈴木 佑治心肺蘇生法教育についての文献レビュー、一考察
- 15X0068 村上 達之兵庫県南部地震の被害状況から簡易被害予測のための指標を作成する
- 15X0078 北丸 歩救急相談サービス (#7119)における高齢世代対する有効な推進媒体は何か
(中澤准教授コメント)
私は2018年4月、救急蘇生・災害医療学研究室に着任いたしました。これまで、救急・防災政策を自身の研究課題として取り組んできたことから、卒業研究ゼミの学生を募集したところ、5名の学生が手を挙げてくれました。
岡野透学生は、豪雨災害における避難行動を課題とし、自ら被災地に赴き、ボランティア活動を通じて現場の声を聞いてきました。その中で感じたことをもとにアンケート調査を行い、分析しました。
川邉貴大学生は、学生消防団を課題とした研究を行いました。アンケートの作成前に予備調査を行い、自ら消防団に入団し、また、消防団関係者の話を伺いに行くなど、積極的に取り組みました。毎日遅くまで統計解析の勉強をして頑張っていました。
鈴木佑治学生は、心肺蘇生教育に興味を持っており、関係論文のレビューに取り組みました。学校教育で心肺蘇生法を修得することが必要だという信念があり、社会に出てからは地域貢献として実践してもらいたいと期待します。
村上達之学生は、震災時の被害予測に取り組みました。過去の震災の被害写真を見ながら判定を行い、データを打ち込む作業には大きな苦労があったと思われますが、自分なりの計算式を開発し達成感のある研究となりました。
北丸歩学生は、救急相談センターの効果的な広報について考察しました。2025年に高齢者となる世代に着目したことは、若い学生が現代の超高齢化社会と救急需要対策という大きな社会問題に目を向けているという意味で頼もしく感じました。
2019年度
- 16X0002 秋月 亨太学生の消防団への参加の意義と学生への広報策の検討
- 16X0007 荒川 瑞稀トリアージに関する学生の意識調査
- 16X0036 田子 稜太災害図上訓練(Disaster Imagination Game:DIG)を行ったことによる防災意識の変化
- 16X0041 露木 瑞也高校生の救急医療に対する意識調査
- 16X0079 豊村 真由桜島の噴火に対する地域住民の意識調査
- 16X0082 丸山 千尋久喜北地区住民の防災対策の現状
(中澤准教授コメント)
2019年度は、台風15号や台風19号が全国各地に想像を絶する被害を及ぼし、わがゼミのテーマのひとつでもある「防災」についても考えさせられる年となりました。今期の卒業研究ゼミの学生は6名で、防災対策・救急医療政策について、ともに勉強し、学生ならではの視点から研究を進めてきました。
秋月亨太学生は、自ら学生消防団として活動する中で課題を見出し、解決に向けて積極的に研究に取り組みました。学生のみならず行政の協力を得て、現役消防団員の意見を調査し、論文作成のみならず、日本災害医学会での学会発表にも挑戦し、ポスター発表に採択され、成果を挙げました。
荒川瑞稀学生は、災害時のトリアージについて、他学部も含めた学生にアンケート調査を行いました。災害時は平常時と異なる医療システムが展開されることを、医療従事者以外にも理解してもらおうと努力しました。
田子稜太学生は、DIG(Disaster Imagination Game)の講習会を開催し、受講前後の防災意識の変化を調査しました。VAS法を用いて測定し、発生した差分を統計学的に検定し、研究として精度の高い論文が完成しました。
露木瑞也学生は、シアトル海外医療研修での自身の経験を踏まえ、高校生の視点からみた救急隊に関するアンケートを、母校で実施しました。将来を担う若者の意見をまとめ、課題を抽出でき、意義のあるものとなりました。
豊村真由学生は、生まれ育った地域のシンボルである桜島の噴火に対する地域住民の防災対策について、マイ・タイムラインやテキストマイニングという手法を用いて分析しました。故郷への思いがこもった研究となりました。
丸山千尋学生は、居住地である久喜市の住民にインタビューを行い、地域の防災対策について検討しました。調査期間中に台風の発生があり、台風前後でデータをまとめるのに苦労がありました。
2020年度
- 17CB007 池沢 司Covid-19 流行における新様式でのBLS講習会前後の意識変移調査
(中澤准教授コメント)はじめに、新型コロナウイルス感染症拡大の最前線の現場で昼夜を問わず奮闘されている皆様に感謝申し上げるとともに、このウイルスで大切な命を落とされた方にお悔やみ申し上げます。
本来であれば東京オリンピック・パラリンピック大会が開催され、国際化も一気に進み、記念すべき年となったであろう2020年は、新型コロナウイルスの世界的大流行により、予想できない展開となりました。わがゼミにおいても、カリキュラム改変による3年生の受入れが始まり、充実したメンバーとともに様々なアクティビティに挑戦していこうと思っていた矢先、私が思い描いていたゼミ活動は、ほとんどが計画倒れとなりました。
前学期は緊急事態宣言の発令に伴う大学の入構禁止措置により、学生と対面で会えることのないまま、新たなツールを使用した遠隔講義への対応に追われ、私自身がゼミ生1人1人に向かい合うことができず、せっかく中澤ゼミを選んでくれた学生に不安な気持ちを抱かせてしまったかもしれないと反省しています。しかし、後学期になり対面での授業が可能となって、元気な学生の顔を見るようになると、彼らの活き活きとした姿にパワーをもらい、「これが大学生の良さだ」と改めて実感することができました。被災地でのボランティア活動に大学生を連れていくと喜ばれる理由のひとつに、彼らが「人を元気にする力」を潜在的に持っていることが挙げられます。コロナ禍で半年間会えなかった学生諸君と会えたとき、私自身も活力が湧いて来るのを感じました。
池沢司学生は、今年度の中澤ゼミ唯一の4年生として、コロナ禍における応急手当講習会の効果について調査を行いました。自ら、出身の小中高校に交渉を行い、手作りのチラシや動画を使って講習会を行い、多くの意見を頂戴することができました。このような社会情勢であるにもかかわらず、快くご協力をいただいた各校の先生方、実施に際し、池沢学生の話を聴いてくださり、交渉にあたってくださった先生方、アンケートに協力をいただいた児童・生徒の皆様には、心から感謝申し上げます。
2021年度
- 18CB003秋田 航季病院前外傷救護教育における、動画教材を用いたe-learningによって得られる実技に関する意識変容の考察
- 18CB009石下 黎救急医療学科上級生に対するサウナ活用の有用性
- 18CB010石川 友哉新聞記事から見た一般市民による応急手当奏功事例の分析
- 18CB015岩崎 大翔自然災害によるハザードマップ-ZOZOマリンスタジアムに着目した考察-
- 18CB016上野 颯太糸魚川市大規模火災の伝承とその意義
- 18CB018大笹 晃嵩アマチュアゴルファーが実施している安全対策の現状と今後の安全教育についての検討
- 18CB027小玉 真史高校生が学校の勉強を自主的に行う動機について
- 18CB028小林 健斗ストレスコーピングに着目したコロナ禍における救急医療学科生のストレス
- 18CB030佐藤 陸防災教育による自助・共助に対する意識変容について
- 18CB031澁澤 良亮救急医療学科生の学習動機・学習姿勢の検討
- 18CB036高橋 健防災ゲームによる教育の効果・意義
- 18CB042遠山 拓朗死球による受傷部位とその影響
- 18CB052前田 周4年制大学に通っている救急救命士養成課程の者の進路・職業選択に与える要因
- 18CB053松山 翔平救急救命士学生の大学での心電図学習の満足度と簡易教材作成
- 18CB059山下 貴之PWC(水上オートバイ)を利用した救助の有用性
- 18CB064穐山 友里胸骨圧迫中の心拍数とボルグスケールの性差
- 18CB068櫻井 花乃野球における熱中症にならないためのベストな一日の過ごし方
- 18CB069佐藤ゆずほ本学科の学生の救急救命士国家試験に対する意識調査と学習意欲向上につながる自主的な学修について
- 18CB071清水 睦代日本体育大学学生に向けた二輪車事故MAP作成について
- 18CB072末村 月乃若者による救急医療体制の認知度及び理解度
- 18CB074畑中 美憂一般人と救急救命士養成課程学生の応急手当への認識の違い
- 18CB076牧野 慧弥女性消防吏員増加のために学生ができる事
(中澤准教授コメント)2018年度入学生から新カリキュラムの開講により、卒業研究は3年次の「卒業研究Ⅰ」、4年次の「卒業研究Ⅱ」の2年間にわたって取り組む必修科目となりました。しかしながら、2020年度は新型コロナウイルス感染症の世界的流行の影響を受け、ゼミ活動として行っていた防災イベントへの参加や災害ボランティア活動などが今までどおり出来ない状況となってしまい、かつ、講義や実習も感染対策を重視して方法を変更せざるを得ない場合もあり、学生・教員ともに手探りの状態で進んできた2年間となりました。そのような中、22名の学生が卒業研究に取組み、論文の執筆を行いました。ほとんどの学生にとって発表会や論文執筆が初めての挑戦でした。「研究とは何か?」の講義から始まり、文献検索の方法、研究計画の立て方、研究倫理、アンケートの取り方と分析方法などを勉強してきましたが、まだまだ未熟な部分も多くみられます。しかし、学生が学生としての立場で救急や防災の社会問題について真剣に考えた成果が論文集に詰まっています。今後、社会に出れば、多くの課題に直面するでしょう。その時、この論文集を開いて、コロナ禍に負けずにがむしゃらに卒論の執筆に取組んだことを思い出してほしいと思います。
今回、卒業していく2018年度入学生は、私が本学に着任した同時期に入学してきた学生であり、コロナ禍以外にも、大型台風の襲来やその他多くの苦難を一緒に乗り越えて来た同志でもあります。学年全体の雰囲気が明るく元気で、勢いのある学生たちであり、一人一人がとても印象に残っています。卒業後も、たまには大学に顔を見せに来ていただき、社会で経験したことを聴かせてほしいと心から願っています。
なお、学生の卒業研究にあたり、ご多忙中のところ指導してくださった先生方、ご協力をいただいた関係団体の皆様、アンケートやインタビューに快く応じてくださった皆様には、この場をお借りして厚くお礼申し上げます。